日経平均は3,643円安で6万円割れ|TOPIXも5.9%安、全面安の一日を読み解く
導入
11月6日(金)の東京株式市場は、日経平均株価が3,643.13円安(−5.96%)の57,434.77円と大幅に5日続落し、5月20日以来、約半年ぶりに6万円を割り込みました。下げ幅は史上3番目の大きさです。TOPIX(東証株価指数)も232.40ポイント安(−5.90%)の3,707.99と大幅に反落しました。
背景は、前日11月5日の米国株急落です。NYダウは1,833.06ドル安(−3.44%)、S&P500は4.36%安、ナスダック総合指数は5.52%安、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は12.25%安と急落しました。米中間選挙で民主党が大勝し、AIやデータセンターへの規制が強化されるとの懸念が強まったことが売りのきっかけと伝えられています。
この3日間、日経平均とTOPIXは違う顔を見せてきました。
| 指数 | 11月2日(月)終値・前日比 | 11月5日(木)終値・前日比 | 11月6日(金)終値・前日比 |
|---|---|---|---|
| 日経平均株価 | 63,081.86円(−0.33%) | 61,077.90円(−1,110.73円、−1.79%) | 57,434.77円(−3,643.13円、−5.96%) |
| TOPIX | 3,930.28(−0.88%) | 3,940.39(+45.01、+1.16%) | 3,707.99(−232.40、−5.90%) |
11月2日はTOPIXの方が大きく下げ、11月5日は日経平均が下げる一方でTOPIXが上がる「逆転」でした。11月6日はその分離が解消され、2つの指数がそろって約6%下げる全面安の一日となりました。本記事では、3日間の対比を踏まえながら、この日の下げの中身を読み解きます。11月2日と11月5日の解説は11月2日の記事『なぜTOPIXだけ大きく下げたのか』、11月5日の記事『日経平均は1,110円安なのにTOPIXは上昇』をご覧ください。
日経平均の下げの中身:値がさのAI・半導体関連が主導
日経平均は寄り付きから703.55円安の60,374.35円で始まり、寄り付き直後には一時3,000円超安となって9時3分時点で59,399.08円と6万円を割り込みました。その後も下げ足は加速し、一時下げ幅は4,300円を超えて安値56,745.81円(4月中旬以来の水準)まで下落。5万7000円割れの水準では下値に買いが入って下げ渋り、終値は57,434.77円と安値から約689円戻して引けました。前引けは57,858.61円(−3,219.29円、−5.27%)でした。
下げを主導したのは、11月5日に続いてAI・半導体関連の値がさ株です。株探の集計による、日経平均へのマイナス寄与度上位は次のとおりです。
| 順位 | 銘柄 | 押し下げ寄与 |
|---|---|---|
| 1 | ソフトバンクグループ(9984) | 約−348.7円 |
| 2 | アドバンテスト(6857) | 約−317.15円 |
| 3 | ファーストリテイリング(9983) | 約−248.38円 |
| 4 | 東京エレクトロン(8035) | 約−247.77円 |
| 5 | リクルートホールディングス(6098) | 約−102.14円 |
上位5銘柄だけで約1,164円の押し下げとなり、下げ幅3,643円の約3分の1を占めます。一方、プラス寄与はダイキン工業(+10.96円)、太陽誘電(+3.17円)、SCREENホールディングス(+0.40円)の3銘柄にとどまり、日経平均構成225銘柄のうち値上がりはわずか3銘柄、値下がりは222銘柄でした。
個別銘柄の終値は次のとおりです。
| 銘柄 | 終値 | 前日比 |
|---|---|---|
| ソフトバンクグループ(9984) | 3,549円 | −431円(−10.83%) |
| アドバンテスト(6857) | 28,015円 | −1,470円(−4.99%) |
| 東京エレクトロン(8035) | 8,263円 | −490円(−5.60%) |
| キオクシアホールディングス(285A) | 8,511円 | −813円(−8.72%) |
| トヨタ自動車(7203) | 3,281円 | −252円(−7.13%) |
ここで注目したいのは、寄り付きの売られ方です。ソフトバンクグループは始値3,350円(前日比−15.8%)、アドバンテストは始値25,485円・安値24,655円、東京エレクトロンは始値・安値ともに7,502円(前日比−14.3%)、キオクシアは始値・安値ともに7,900円(前日比−15.3%)と、寄り付きではそろって14〜16%安まで売られました。そこから終値にかけて大きく下げ幅を縮めた格好です。日経平均の安値56,745.81円から終値57,434.77円への戻りも、同じ流れを映しています。米国株急落を受けたパニック的な売りが寄り付きに集中し、その後は買い戻しも入った一日だったと言えます。
TOPIXも大幅安:33業種すべて下落、プライムの98%が値下がり
11月5日と大きく違うのは、TOPIXの動きです。11月5日はTOPIXが1.16%高と上昇しましたが、11月6日は5.90%安と日経平均(−5.96%)とほぼ同じ下落率になりました。指数の仕組みの違いによる「分離」は、この日はほぼ消えています。
前日にTOPIXを押し上げたトヨタ自動車は、この日は7.13%安の3,281円と反落しました。11月5日に通期営業利益予想の上方修正で16.68%高となった主役が、翌日には売られた格好です。
売りの広がりを示す数字は次のとおりです。
- 東証プライムの値上がり銘柄数は21、値下がり銘柄数は1,523、変わらずは7。値下がりは全体の約98%にのぼります(みんかぶ・ロイター。株探の集計では値上がり20/値下がり1,518/変わらず7と僅差があります)
- 東証33業種はすべて値下がり。下落率1位は食料品で、以下、石油・石炭、不動産業、非鉄金属、証券・商品、その他製品が並びました
- プライム市場の売買高は概算で43億583万株、売買代金は12兆4,808億円と、商いも大きく膨らみました
- 東証グロース市場250指数も5.63%安の709.12と6日続落し、新興市場まで売りが広がりました
一方で、為替は比較的落ち着いていました。ドル円は15時時点で157円80銭前後(前日比+0.38円)と、株安でも円買いが大きく進んだわけではありません。日経平均は6月につけた高値72,366円から2割超下落し、弱気相場入りとなったとロイターは伝えています。
前2本との対比:分離から全面安へ
11月2日の記事で解説した11月2日と11月5日の記事で解説した11月5日と並べると、構図の変化がはっきりします。
- 11月2日:値がさの半導体製造装置株が買われて日経平均の下げを小さくした一方、プライム銘柄の約3分の2が値下がりし、TOPIXの下落率が大きくなった
- 11月5日:値がさの半導体株が売られて日経平均が大きく下げた一方、プライム銘柄の約7割が値上がりし、TOPIXは上昇した
- 11月6日:日経平均もTOPIXも約6%安。プライムの98%が値下がりし、33業種すべてが下落した全面安で、2つの指数の分離は解消された
3日間で日経平均は63,081.86円から57,434.77円へ5,647.09円(−8.95%)下落しました。方向は3日とも下向きでも、中身は日ごとに違います。11月2日と11月5日は「どちらか一方の指数だけを見ると相場を読み違える」日でしたが、11月6日は「どちらを見ても全面安」でした。ただし、寄り付きの急落から終値にかけて下げ幅を縮めた点は、指数の下げ幅ほど市場全体が一方的に崩れたわけではないことも示しています。
今夜の注目:米10月雇用統計
この日の東京市場では、今夜の米10月雇用統計の発表(日本時間22:30)への警戒も伝えられました。発表の結果そのものはこの記事の執筆時点ではまだ出ていませんが、米国の景気と金融政策の先行きを占う材料として、週明けの東京市場にも影響する可能性があります。雇用統計の結果と市場の反応は、改めて確認したいところです。
まとめ
- 11月6日は日経平均が5.96%安の57,434.77円、TOPIXが5.90%安の3,707.99と、2つの指数がそろって約6%下げる全面安でした
- 日経平均の下げ幅3,643.13円は史上3番目の大きさで、5月20日以来の6万円割れとなりました
- 下げを主導したのはソフトバンクグループ(寄与度約−348.7円)とアドバンテスト(約−317.15円)を中心とするAI・半導体関連の値がさ株です
- ただし半導体関連株は寄り付きで14〜16%安まで売られた後、終値にかけて下げ幅を縮めました。日経平均も安値から約689円戻して引けています
- プライムの値下がり銘柄は1,523と全体の約98%、33業種すべてが下落し、11月2日・11月5日に見られた指数の分離は解消されました
- 前日にTOPIXを押し上げたトヨタは7.13%安と反落し、3日間で日経平均は約9%下落しました
※本記事は2026年11月6日の市場動向を公開情報に基づいて解説したものです。特定の銘柄の売買を推奨するものではなく、過去の値動きや決算への反応が将来の株価を保証するものでもありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。














ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません