米中間選挙の後は株が上がる?過去データで検証|2026年の見通し
本日11月3日は、米中間選挙の投開票日です。開票は日本時間の明日4日朝から進み、結果は4日の東京市場に反映されやすくなります。
市場では「中間選挙の後は株が上がる」とよく言われます。これは本当でしょうか。過去のデータを検証し、2026年今回の見通しを考えます。
過去8回、中間選挙後のS&P500はどう動いたか
直近8回(1994〜2022年)の中間選挙後、S&P500の値動きは次の通りでした(選挙当日の終値起点、価格リターン)。
- 選挙翌日:平均+0.3%
- 1週間後:平均+0.6%
- 1か月後:平均+0.8%
- 12か月後:平均+13.1%、8回すべてプラス
12か月後の内訳は、1994年+27.1%、1998年+22.0%、2002年+14.9%、2006年+6.7%、2010年+3.7%、2014年+4.5%、2018年+11.7%、2022年+14.5%です。
さらに長期で見ても、J.P. Morganアセット・マネジメントによれば、1950年以降の中間選挙では12か月後が19回すべてプラスで、平均は約+15%でした。1946年以降で数えても20回すべてプラスという集計があります(Truistなど)。
ただし「絶対」ではありません。上昇幅が+0.1〜1.3%程度の辛勝の年もあり、1950年より前は19回中6回がマイナスでした。統計は傾向として受け取るのが正解です。
また、このパターンの正体も知っておく必要があります。中間選挙の年は大統領サイクルの中で最も弱く、選挙前に平均18%程度の下落が出やすい年です。選挙後は不透明感が晴れて買い戻される、という構図で、しかも11月〜4月はもともと季節的に株価が強い時期と重なります。「選挙後の上昇」の半分程度は季節性だという指摘もあります。
「ねじれ議会は株に良い」は本当か
選挙後12か月のリターンを比べると、ねじれ(分かれ政府)が+15.1%(14回)、統一政府が+15.0%(5回)で、差はほぼありません。学術研究では、むしろ統一政府の方がリターンが高いという結果もあります。
つまり材料は「どちらが勝ったか」よりも「選挙が終わって不透明感が消えたこと」そのものです。
日経平均はどう反応したか
東京市場の選挙直後の初日(水曜日)は、いずれも小幅でまちまちでした。
- 2022年:-0.56%
- 2018年:-0.3%
- 2014年:+0.44%(ただし主因は直前の日銀追加緩和)
水曜の東京は開票途中の部分情報への反応で、本格的な反応は木曜に来ました(2018年は木曜に+1.82%)。4日の東京の終値だけを見て「市場の評価」と判断するのは早計です。
その後については、過去11回(1982年以降)の平均では、選挙前3か月が-3.0%、選挙後3か月が+3.3%でした(三井住友DSアセットマネジメントの集計)。
一方で、マネックス証券の集計では、大統領の党が下院の多数派を失った年は、翌年3月までの累計が平均+0.29%と鈍い結果でした。今回の基本シナリオがまさに「与党の下院敗北」である点は、頭に入れておく価値があります。
方向は米株次第、大きさはドル円次第、というのも過去の教訓です。2022年は米株が上がる中で円高が進み、日経平均は年末にかけて下落しました。
2026年の構図:市場は「小動き」を想定
今回の選挙について、予測市場(11月2日時点)では、下院は民主党が92〜93%と圧倒的優勢、上院も民主党が68%でやや優勢です。組み合わせでは民主党の両院奪還が61〜66%で最有力、議会の分割が26〜30%、共和党の両院維持は7〜10%と見られています。
市場の反応の見立ても小さいものです。JPMorganのトレーディングデスクは、シナリオ別のS&P500の反応を-0.25%〜+1.25%と見積もっています。オプション市場が織り込む11月4日の値動きも約0.8%程度で、ロイターは「中間選挙は通常、市場を大きく揺らす材料にはならない」と伝えています。
なお、BofAのストラテジスト1名が「民主党の両院奪還なら-10%超も」という見方を示していますが、これは単独の見解で二次報道のみの情報であり、主流の見方ではありません。
今回、過去のパターンが崩れるかもしれない理由
統計が追い風でも、今回は割り引いて見るべき事情があります。
第一に、選挙前の下げがほぼありませんでした。S&P500は年初来約+11%で、最大の下落も-9.1%と過去平均の半分程度。下げた分を取り戻す「反発」の余地が小さい年です。
第二に、FRBが利上げ局面にあります。10月の会合は据え置きでしたが利上げ支持の反対票が2票あり、12月の利上げ確率は約70〜75%と見られています。10年債利回りは5.3%を超えました。過去の好パターンの多くは、金融緩和の局面で起きています。
第三に、原油価格が100ドルを超え、イラン情勢がくすぶっています。
第四に、AI関連への集中です。上位10銘柄で指数の約38%を占め、今週はAMDやクアルコムなどの半導体決算、金曜には雇用統計も控えています。4日の値動きは、選挙よりもこれらの材料で決まる可能性が高いでしょう。
まとめ
- 11月4日の東京市場は、選挙要因だけなら小幅の可能性が高い。開票ヘッドラインより、同日の米経済指標、半導体決算、ドル円の動きが材料になりやすい
- 中期的には過去統計は追い風だが、「与党が下院を失った年の日経は鈍い」という集計、利上げ局面、高めのバリュエーションを考えると、統計通りの再現は前提にしないほうが無難
- 結果の判明が遅れる可能性もある(2022年は下院の確定まで8日かかった)。不透明感が残れば、安堵の買い戻しも遅れる
回ごとの詳しいデータ(翌日〜12か月後の表、グラフ、出典)は、特設ページにまとめました。
→ 中間選挙後の株価:過去のパターンと2026年の見通し(特設ページ)
※過去の統計は将来の値動きを保証するものではありません。投資は自己責任でお願いします。














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