3,643円安の急落は買い場だったのか|リバウンド候補20銘柄を検証します

導入

11月6日(金)、日経平均株価は3,643.13円安(−5.96%)の57,434.77円と、史上3番目の下げ幅を記録しました。プライム市場の98%の銘柄が値下がりする全面安でした(詳しくは11月6日の記事『日経平均は3,643円安で6万円割れ』)。

こういう急落のあとに必ず出てくるのが、「急落は買い場」という言葉です。ただ、実際に売られすぎた銘柄を買えば儲かるのかは、感覚ではなくデータで確かめるべき話です。そこで当サイトでは、急落した銘柄の中から反発(リバウンド)候補を条件で選び出し、週明け11月9日(月)から実際に追跡検証することにしました。本記事は、その検証のスタートラインです。選んだ銘柄と選定理由を、結果が出る前に公開しておきます。

検証のルール

検証は次の条件で機械的に行い、途中で銘柄を入れ替えたりしません。

  • 母集団:11月6日終値ベースのスクリーニングで、売買代金30億円以上・ボラティリティ(直近20営業日の最大値/最小値)が1.15〜4.00の263銘柄
  • そのうち終値が2,500円以下の93銘柄を対象に、後述の指標で20銘柄を選定
  • エントリー:11月9日(月)の寄り付きの株価(始値)
  • ポジション:1銘柄100株(株価の低いラサ工業のみ200株)。11月6日終値ベースで合計約392万円の仮想ポートフォリオ
  • 追跡:毎営業日の終値を記録し、前日比と、エントリーからの損益を集計する
  • 評価:結果は良くても悪くても、後日続編でそのまま報告する

選定の考え方:3つの条件

候補は、次の3点を組み合わせて選びました。

  1. 売られすぎていること:直近20営業日の高値からの下落率が大きく、RSI(14日)が概ね30以下。下げが深いほど、反発したときの戻りも大きくなります
  2. 急落日に買いの兆しがあったこと:11月6日は指数が約6%下げる中でも、寄り付きの安値から終値にかけて大きく戻した銘柄があります。パニック売りが寄り付きに集中し、その後は買い戻しが入った形で、「売りが一巡した」サインと読めます
  3. 流動性があること:売買代金が大きい銘柄は、反発局面でも値動きが素直に出やすく、検証対象として適しています

候補20銘柄

A. すでに反発の兆しが出ている銘柄

11月6日の急落日の中で、安値から強く戻したり、プラスで引けたりした銘柄です。

コード 銘柄 終値(11/6) 売買代金 20日高値比 RSI 11月6日の動き
3110 日東紡績 2,399円 389億円 −31.9% 31 +3.4%で引け、安値から+24.3%戻し・出来高3.7倍
6590 芝浦メカトロニクス 2,360円 114億円 −45.1% 22 +1.1%で引け、安値から+16.0%・出来高3.5倍
3905 データセクション 1,583円 490億円 −32.1% 55 急落日に+6.8%と逆行高
5801 古河電気工業 1,960円 931億円 −53.6% 15 安値から+15.8%戻し、流動性は対象内でトップ
6723 ルネサスエレクトロニクス 2,477円 601億円 −33.9% 28 安値から+11.2%戻し
5016 JX金属 2,435円 615億円 −32.8% 28 安値から+11.2%戻し
5706 三井金属鉱業 1,540円 306億円 −43.3% 17 安値から+11.3%戻し
6622 ダイヘン 1,844円 73億円 −38.6% 19 安値から+12.9%戻し・出来高2.9倍
485A パワーエックス 1,617円 151億円 −20.7% 43 急落日も−0.2%と底堅く、安値から+13.1%
6999 KOA 1,764円 34億円 −27.2% 31 急落日も−0.6%、安値から+10.9%

B. 売られすぎが深く、流動性のある銘柄

下落率とRSIの低さ(売られすぎ)を重視した銘柄です。

コード 銘柄 終値(11/6) 売買代金 20日高値比 RSI 11月6日の動き
5802 住友電気工業 1,360円 645億円 −43.3% 13 RSIは対象内で最低水準
3436 SUMCO 1,784円 362億円 −48.6% 22 安値から+8.6%戻し
6762 TDK 2,107円 419億円 −37.2% 20 安値から+6.8%戻し
5805 SWCC 1,762円 68億円 −38.1% 21 安値から+9.3%戻し
6368 オルガノ 1,608円 67億円 −42.1% 16 出来高2.6倍
4980 デクセリアルズ 2,340円 86億円 −34.7% 18 安値から+9.7%戻し
6254 野村マイクロ・サイエンス 2,095円 35億円 −44.6% 16 安値から+7.7%戻し
4022 ラサ工業 1,182円 35億円 −42.4% 18 出来高3.1倍
6526 ソシオネクスト 1,556円 152億円 −27.3% 29 安値から+7.4%戻し
6754 アンリツ 2,214円 66億円 −37.6% 28 11月6日は−3.2%と市場平均より小幅な下げ

顔ぶれを見ると、電線(古河電気工業・住友電気工業・SWCC)と半導体材料・装置(SUMCO・ルネサスエレクトロニクス・芝浦メカトロニクス・デクセリアルズ)の売られすぎが目立ちます。AI・半導体関連への売りが今回の急落の震源だった分、反発局面でもこのあたりが先行するかどうかが注目点です。

検証にあたっての注意点

正直に書いておきます。この検証には次の弱点があります。

  • 選定はテクニカル指標だけで行っており、個別銘柄の悪材料(決算の下方修正など)がないかは確認していません。急落には銘柄固有の理由がある場合も含まれます
  • 11月6日(金)の米国株は、ダウが−0.46%の一方でナスダックが+1.09%とまちまちでした。強い雇用統計(非農業部門雇用者数16.5万人増)を受けた米金利の動向次第では、月曜の日本株が続落する可能性もあります
  • 「売られすぎ」は反発の保証ではありません。下げの途中で買う形になるため、さらに下がるリスクは常にあります

それでも、ルールを先に公開して結果をそのまま出すことに意味があると考えています。「急落は買い場」と言い切る記事は多くても、実際に候補を固定して答え合わせまでする記事は多くありません。

今後の予定

11月9日(月)の寄り付きをエントリーとして、毎営業日の終値を追跡します。一定期間が経過したところで、20銘柄全体の損益と、A・Bどちらのグループが強かったか、個別の当たり外れを含めて続編で報告します。

※本記事は、株価の値動きに関する検証企画です。特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。検証は仮想のポジションで行い、実際の投資成果を保証するものでもありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。

株式投資

Posted by Ish